
心身を鍛えることができる空手は、いまでは世界的に競技人口が多い武道です。空手には数多くの流派があるので、始めるときにはまず流派の種類を理解する必要があります。空手をする目的に合った流派を選ぶようにしましょう。
1. 空手の流派は大きく分けると2種類
空手を調べたときに、最初に驚くのが流派の多さです。非常に多くの流派が存在し、それによって特徴やルールが変わってきます。空手に興味がある方は、まずは流派がどのように分かれているのかを知る必要があります。
空手の発祥地は、沖縄と言われています。沖縄が琉球王国として存在していた時代に、中国拳法が伝わってきたことが発祥のきっかけです。琉球の武術に中国拳法が取り入れられて、時の流れと共に発展して合わさったものが空手と呼ばれるようになりました。
現在では空手という表記になっていますが、当初は中国を表す漢字の唐が使われて唐手(とうで)と呼ばれていました。明治時代に唐手は訓読みで「からて」と読まれるようになり、のちに空手という表記になって今に至ります。
日本に広まっていく中で、習得した空手を独自にアレンジしたものが、新しい流派となって次々に誕生していきました。空手には把握しきれない程の流派がありますが、大きく分けると伝統派空手とフルコンタクト空手の2種類に分かれています。
2. 伝統派空手とは
伝統派空手とは、長年に渡って培われてきた技術を重んじて稽古や試合を行う空手です。空手を含めた武術全般は、人間として成長することを目的として昔から取り組まれてきました。精神力を鍛えたり人格を育てたりすることが、伝統派空手の本質です。
伝統派空手では、打撃は直接当てずに寸止めをする決まりがあります。そのため、試合時に相手に打撃を当ててしまった場合は反則を取られてしまいます。組手のときには、なるべく怪我をしないように広めに間合いを取る傾向があります。
また、伝統派空手は型と呼ばれる演武の練習を多く行います。演武時には、決められた順番通りに技を繰り出していきます。型は数多くあり、種類によってすぐ終わるものから数分間の時間を要するものまで様々です。
大会に出る場合は、組手と型で分かれていて、組手時には防具を装備する形になります。ちなみに、2020年のオリンピックの空手で採用されているのは、伝統派空手です。怪我を負う可能性が少ない状態で空手に取り組むことができる点から、スポーツ空手とも呼ばれています。
3. フルコンタクト空手とは
フルコンタクト空手とは、直接打撃を与えることを前提としてルールが作られている空手です。顔面や金的への打撃は禁止(一部教室では、顔面は禁止していません)ですが、それ以外の箇所に突きや蹴りを決めてダメージを与えて勝敗を競います。
寸止めではなく、相手に打撃を直撃させることに重点が置かれていることから実践空手とも呼ばれています。フルコンタクト空手では技の威力を追及していることもあり、お面やグローブ、胴などの防具をつけません。怪我をする可能性はもちろん高まりますが、純粋な強さを競うことができる点に魅力があるとも言えます。
ちなみに、実践空手の始まりは世界規模で会員がいることで有名な極真会館です。大山倍達氏によって、直接打撃制を追及したフルコンタクト空手が誕生します。なので、フルコンタクト空手の流派を辿っていくと、極真会館から始まっていることが多いです。
もともとのフルコンタクト空手は、防具を装備しません。しかし、今では防具を装備してもフルコンタクト空手に含まれている場合があります。空手が国際化していく中で、地域によって細かなルールが変化するときがあるからです。団体によっては、フルコンタクト空手ルールで防具の着用が義務づけられているようなケースがあります。
4. 自分のやりたい空手を決めよう
空手を始めるときには、伝統派空手とフルコンタクト空手のどちらが自分に合っているかを決めましょう。2種類の空手の特徴は、正反対と言える位大きな違いがあります。空手を習得する目的から選ぶと、決めやすいかもしれません。
伝統派空手は、打撃によるダメージを直接体に負うことがないので、日常に支障が出ない範囲で鍛錬がしやすいというのがメリットです。空手の歴史の中で生まれた型を通じて、心身を鍛えることもできます。
競技人口は、安全性の高さやスポーツの感覚で取り組めることから伝統派空手の方が多いです。国内に限らず世界で見てもその傾向が強く、2020年のオリンピックに伝統派空手が採用された理由のひとつでもあります。
一方、フルコンタクト空手は生身で戦う実戦感が持ち味です。直接突きや蹴りを当てるので、純粋に戦いたい気持ちが強い方に向いています。もちろん心身を鍛える要素も備わっていますが、大きな違いとしては打撃を当てたり受けたりすることです。なので、始めるときにはダメージを受けることを十分に考えなければなりません。
フルコンタクトは、相手と実際に戦うことを想定するので、練習では判断力や集中力、持久力を本格的に鍛えることになります。自己の鍛錬に加えて、相手と戦うことによって純粋な強さを確認することができるのも大きな魅力です。
なお、「フルコンタクトは伝統派空手よりも精神面の成長を重視していない」といえばそうではなく、教室によってはしっかり心身の成長に重きを置いているところもあります。むしろフルコンタクトの方が心身面・実践面ともに大きく成長できると考え、伝統派空手よりも習いたいという人も少なくありません。
5. まとめ
空手には、すべてを把握するのが困難なほど多くの流派が存在します。大きく分類すると、伝統派空手とフルコンタクト空手に分けることができ、この2つの違いは真逆と言えるほど大きいです。
心身を鍛えたい方、護身術を覚えたい方、戦うことに興味がある方など、空手に興味を持つ理由は人それぞれです。空手を始めるときには、まずは種類を確認することで目的に合った道場を選ぶことができます。